2014年10月09日(木)
昔、ある情報誌のライターをしていたとき、ラーメン屋さんの取材をさせていただきました。そのラーメン屋さんのご主人は「これでいいと思っていない」とおっしゃるではありませんか。
自分で満足をしていないラーメンを商品として提供するなんて、お客様に対して失礼ではないのか?と思った自分。そのように思っていても口にはしませんでした。けれど、意味はわからなかったのです。
そのラーメン屋さんは、地元ではそれなりに有名でした。地元の同業のラーメン屋さんからも一目置かれており、地元の業界内では知らない人はいなかったのではないでしょうか。他のラーメン屋さんの取材でも、必ずといっていいほどそのラーメン屋さんのお名前が出てきましたから。
また、読者さんのアンケートでも一番になることがほとんど。それくらいのラーメン屋さんです。だから「これでいいと思っていない」と聞いたとき、自分には意味が全くわからなかったのであります。
「これでいいと思っていない」は、決していい加減な気持ちではないということは何となく思いました。その時点での一番良いところで提供をしているけれど、完璧ではない。
改良の余地はあるし、もっと良くなる可能性も秘めている。それに商売だから時代に合わせて変えているところ、変えていかなければいけないこともあるかもしれません。
完璧じゃないから改良して工夫をする。そして今よりもっと良いものを提供するという気持ちの表れなのかもしれないと思いました。
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