2012年05月21日(月)
初夏限定のメロン味の缶酎ハイを近所のスーパーで見つけました。明るく鮮やかな黄緑色のとてもきれいな缶が目立っており、お買得品だったため思わず購入。
そして、コップに空けてみたところ、それがまた透明できれいな緑色をしているではありませんか。喫茶店やファミリーレストランでお見かけするメロンソーダのような色です。いかにも着色料が入ってますと鮮やかに透き通る緑色。カラーインクのようでもあります。
メロンソーダといえば、店頭のガラスのケースに見本を飾っている飲食店さんは、昔も今もあるのではないでしょうか。あのお店に飾ってある作り物のメロンソーダが、子ども心に妙に気になっておりましたっけ。
ただの緑色ではなく、透き通ってる緑色。その上にちょこんと白くて丸いアイスクリームが載っていて、その色と形になんだか夢を感じてしまった子どもの頃の自分であります。
自分は子どもの頃、体質にある問題があったため、外食はほとんどできませんでした。(ちなみにその体質の問題は成長するに従って自然と解消されたため、今は気になりません。)だから飲食店の近くは、ひたすら素通り。見るだけでした。
そんなある日、父にどこかの喫茶店(?)に連れて行ってもらったことがあります。メニューをみて、わくわくしながらメロンソーダを選ぶ自分。父は、あれは中身はほとんどない、などと言ってましたっけ。しかし、そのような父の助言(?)は無視な自分。
店員さんがお盆にメロンソーダを載せてこちらに向かってきます。そのメロンソーダを見て「ん?」と思った自分。そして、夢のメロンソーダがテーブルに置かれたのです。
しかし。お店の前に飾ってある見本とちがう。
メロンソーダ水の色は緑色なのですが、アイスクリームや氷で濁ってしまい、透明ではありません。アイスクリームは形が崩れていてまるくない。おまけにストローで飲んだら氷がほとんどで、あっという間にメロンソーダがなくなってしまったではありませんか。アイスクリームにも味がありませんでしたし。
メロンソーダに見た夢が、がらがらがらがらがらがらがらがら、音を立てて崩れていく瞬間であります。なんだか裏切られたような気分。(裏切るは正しくないかもしれませんが。)そして、父の言ったことの意味を理解したのでした。
そして、数十年の時が流れ、メロンソーダに夢を見ていたこともすっかり忘れていた自分。あれからメロンソーダを注文したことはありません。儚く崩れた夢を思い出しながら、どうしてメロン味は緑色なのだろう?と素朴な疑問を持ちつつ、着色料の鮮やかな緑色をぼーーーっと見ていたのであります。
--------- 広告はじめ ---------
--------- 広告終わり ---------