2011年2月16日(水)
2011年も東京に雪が積もったとか。新潟県在住の自分はニュースなどで知りました。
東京は雪が少ししか降らないと聞いて育った雪国生まれ雪国育ちの自分。テレビを見ても、こちらは雪が降ってどんよりとしたお天気なのに、東京は晴れている。小さいころは不思議でしかたがありませんでした。東京を含めた雪の降らない地方をうらやましいと思ったものです。
でも、雪は雪で楽しいこともありました。だから、嫌いというわけではありません。ただ、雪が降らないことはラクでいいと思ってしまいます。
自分が東京のデザイン専門学校に通っていたころ。自分は学費と生活費のために新聞配達をしながら学校に通う、新聞奨学生をしておりました。東京は冬になっても雪が降らないから、新聞配達の仕事もそのぶんラクでいいと思っておりました。ところがデザイン専門学校二年生の冬、東京にも雪が降ったのです。その時は10cmほど積もっていたのではないでしょうか。
東京は雪が降ると、雪の対策ができていないから電車が動かなくなって学校が休みになると、小さいころ聞いたことがあったような気がします。だから、新聞も休みになるかもしれないと、その時は勝手に思い込んだ自分。
しかし、自分の思い込みは、単なる思い込みで終わってしまいました。(あたりまえかもしれませんが。)朝刊を載せたトラックは、除雪も何もしていない足跡もついていない新雪の道路を走って新聞販売店にやってきたではありませんか。いつもの時間より少し遅かったかもしれませんが、朝刊は販売店に無事に到着。
(ちなみに販売店の前の道路は、一切除雪はされていなかったのであります。が、大きな通りは、そこそこ車は走っておりました。)
「雪が降ってもちゃんと来るのか」と感心をしつつ、お休みにならないことを残念に思いつつ、この雪の中の配達なんてしたくないという本音を抱きつつ、朝刊配達の準備をし、新聞を自転車に積んで販売店を出ます。
ところが雪の準備を全くしていなかった自分は、雪国育ちのくせに雪の中での新聞配達に思いっきりめげてしまったではありませんか。
除雪をされていない道路だから自転車が進みません。また、長靴なんて持っておりませんでした。普通の運動靴のため足元が滑りやすく、雪でびしょびしょに濡れ、足も手も冷たくて体も冷え、思うように動きません。凍えるかと思いました。
なんで東京なのに雪が降るんだ!ばかやろー!とぼやきつつ、雪国で新聞配達をしている人ってすごい!とはじめて思った自分であります。それまでは何も考えておりませんでしたから。
自分の住んでいたところは、雪が降っていると夜中の三時頃に除雪車が主要道路を走ります。除雪をしながらなので、ゆっくり進むのですが、その音が結構響くのです。その除雪車の走る音で目が覚めることもあるくらい。音を耳にしながら、また雪が降っているなーとか、どれくらい積もったのだろう?などとと思うのです。
自動車が走って通勤に利用される大きめな道路は除雪をされるわけですが、町の中の狭い道路の除雪は後回しになりがちだと思います。だから朝刊を配達をする時間に、除雪は間に合わないことでしょう。それに冬の朝4時、5時はまだ真っ暗です。雪が降り積もったばかりの雪に埋もれた道だから、道だけど道じゃない道を通って各家庭に朝刊を届けなければいけません。それが毎年冬にあるわけです。
大雪注意報とか大雪警報でしたっけ?雪が降り続いているときでも朝刊は必ず家のポストに入っておりました。たまに午後くらいに朝刊が届いたこともあったような気もしますが、それは滅多にないことでしたし、それはもう仕方のないことだと思います。(あくまでも自分が住んでいたところは、です。他の地域はちがうかもしれません。)
それなりに雪の対策をしていたとしても、雪の降り積もる中、朝刊を届けることの大変さとすごさ。それは自分が東京で新聞配達をしてみるまでわからなかったことでした。雪国に暮らす人のすごさを、雪国から離れた東京ではじめて思い知った自分であります。
雪が降ることは厄介なことかもしれません。だけど、それなりに対策もしています。だから地震が起きたときも雪国仕様のおかげで脱線を免れた上○新幹線。いいぞ!雪国仕様。
雪が降ることで制限をされることがあったとしても、その制限をされた部分に何らかの「工夫」が施されているのではないでしょうか。世間知らずで無知な自分が知らないだけで、雪国にはすごいことがたくさんあるのかもしれないと思います。「雪」も楽しいものに変わるかもしれません。
「雪」は、実際に大変なことが多いと思いますが、その反面、雪の楽しさを知っているのが雪国の人なのではなかろうか?と思う自分でありました。
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